エアコンに標準で付いているフィルターの主な役割は、ホコリがエアコン内部に入り込むのを防ぎ、熱交換器などの部品を汚れから守ることです。室内の空気をきれいにするための部品というより、エアコン本体を守るための部品といったほうが近いでしょう。
標準フィルターの網目は、目で見えるくらいの大きさのホコリを受け止められる程度の細かさです。こまめに掃除しやすいように作られている一方で、細かいホコリの一部は網目を通り抜けてしまいます。通り抜けたホコリは内部に溜まり、前の章で見たような効きの低下やカビ、臭いの原因になります。
ホコリ取りフィルターは、標準フィルターよりも目の細かい素材で、細かいホコリまで捕まえる仕組みです。標準フィルターの手前でホコリを受け止めることで、標準フィルターやエアコン内部の汚れを減らします。
取り付け方は、大きく分けて2つあります。
販されているものは家庭の壁掛けエアコン向けの貼るタイプが中心ですが、保育園やクリニックで多い天井埋め込み型の業務用エアコンに対応した製品もあります。汚れたら交換する使い捨てタイプが一般的で、フィルターを水洗いする手間を減らせるのも利点です。
ホコリ取りフィルターの働きは、大きく分けて2つあります。1つは、空気中のホコリなどを「捕る」働き。もう1つは、抗菌タイプのフィルターに限られますが、捕まえたホコリに付いた細菌などが増えるのを「抑える」働きです。この2つを分けて考えると、ホコリ取りフィルターで何ができて、何ができないのかが見えてきます。
ホコリ取りフィルターの本来の役割は、ホコリやチリを捕まえることです。標準フィルターより目の細かい素材を使っているので、標準フィルターでは通り抜けてしまう細かいホコリまで受け止められます。
エアコン内部に入るホコリが減れば、熱交換器やファンの汚れ、カビや臭いの発生も抑えられます。エアコンから吹き出すホコリが減ることで、室内の空気環境の改善にもつながります。
「エアコンから花粉が入ってくるのでは」と心配する方もいますが、一般的な壁掛けエアコンや天井埋め込み型のエアコンは、基本的に外の空気を取り込んでいません(換気機能付きの一部機種を除く)。室内の花粉の多くは、衣服や髪に付いて持ち込まれたり、窓やドアの開け閉め、換気のときに入り込んだりしたものです。
問題は、こうして室内に入った花粉を、エアコンが吸い込んでは吹き出し、部屋中に循環させてしまうことです。ホコリ取りフィルターを付けておけば、エアコンが吸い込んだ花粉をホコリと一緒に捕まえられます。
ただし、ホコリ取りフィルターは花粉専用の製品ではありません。エアコンが吸い込まなかった花粉は室内に残りますし、床や家具に落ちた花粉は掃除で取り除く必要があります。玄関で衣服の花粉を払う、空気清浄機を併用するなど、ほかの対策と組み合わせることが大切です。
一般的なホコリ取りフィルターは、ホコリを捕まえるだけです。捕まえたホコリには細菌やカビの胞子なども含まれていて、湿気や温度の条件がそろうと、フィルターの上で細菌やカビが増えてしまうこともあります。
そこで、園や医院など衛生面に気を配りたい施設で検討したいのが、抗菌・抗ウイルス加工がされたフィルターです。フィルターに抗菌剤や酵素などを付け、捕まえたホコリに付いた細菌やウイルスに作用させることで、フィルターが汚染源になるのを防ぎます。たとえば、マイクロエアの抗菌エアコンフィルター「コウソプレ」は、フィルターに固着させた天然の酵素が、付着した細菌の増殖を抑えます。ウイルスについては、外側の膜を持つウイルスであれば、その膜を壊して感染する力を弱めます。
ただし、抗菌・抗ウイルスのフィルターが働くのは、あくまでフィルターに捕まった細菌やウイルスに対してです。空気中に漂う細菌やウイルスをすべて取り除いたり、感染そのものを防いだりするものではありません。
ホコリ取りフィルターにも限界があります。次のようなものは、ホコリ取りフィルターだけでは防げません。
表1 ホコリ取りフィルターで防げるもの・防げないもの
| 対象 | ホコリ取りフィルターでできること | できないこと・限界 |
|---|---|---|
| ホコリ・チリ | 標準フィルターより細かいホコリまで捕集する | 床や家具に積もったホコリは取れない |
| 花粉 | エアコンが吸い込んだ花粉をホコリと一緒に捕集する | 花粉専用ではない。室内に持ち込まれる花粉は減らせない |
| 細菌・カビ | 抗菌タイプなら、フィルター上での増殖を抑える | 一般的なタイプは捕るだけで、増殖は抑えられない |
| ウイルス | 抗ウイルスタイプなら、フィルターに付着したウイルスの感染力を弱める | 空気中のウイルスの除去や、感染の予防はできない |
| PM2.5など | ― | 一般的なホコリ取りフィルターでは捕集しきれない |
手軽に取り付けられるホコリ取りフィルターですが、使い方を誤るとかえってエアコンの負担を増やしてしまうこともあります。導入する前に、次の点を押さえておきましょう。
ホコリ取りフィルターは、標準フィルターより目が細かい分、ホコリが溜まるのも早くなります。汚れたまま使い続けると、フィルターそのものが目詰まりを起こし、最初の章で見たような効きの低下や電気代の増加を招いてしまいます。
ホコリ取りフィルターは「付けたら終わり」ではありません。効果を保つには、汚れに応じた交換が欠かせません。交換の目安は製品や設置環境によって異なりますが、人の出入りが多い場所や、窓を開けて換気することの多い部屋では汚れやすくなります。目安の時期を待たず、フィルターの色が変わってきたら早めに交換しましょう。
使い捨てのホコリ取りフィルターは、交換のたびに購入費用がかかります。1枚の価格は安くても、施設全体のエアコンの台数と交換の回数を掛け合わせると、年間ではそれなりの金額になります。
交換の作業も、天井埋め込み型のエアコンであれば脚立に上っての作業になります。導入を検討するときは、フィルターの価格だけでなく、1枚でどのくらいの期間使えるか、掃除機でホコリを吸い取って再利用できるかといった点も比べておくと、ランニングコストを見積もりやすくなります。
エアコンによっては、ホコリ取りフィルターの取り付けが推奨されていないことがあります。特に、フィルターを自動で掃除する「お掃除機能」付きのエアコンでは、市販のフィルターを取り付けると機能がうまく働かなくなるおそれがあります。
また、吸い込み口の形や大きさによっては、フィルターがうまく貼れないこともあります。取り付ける前に、エアコンの取扱説明書やメーカーの案内を確認しておきましょう。
ホコリ取りフィルターを貼るのは、空気を吸い込む吸気口だけです。風が出てくる吹き出し口やルーバー、温度や人の動きを感知するセンサーをふさいでしまうと、エアコンが正しく運転できなくなります。
壁掛け型のエアコンは本体の上面や前面から、天井埋め込み型のエアコンは中央のグリル部分から空気を吸い込むものが一般的です。どこが吸気口なのか分からない場合は、取扱説明書で確認してから取り付けましょう。
表2 ホコリ取りフィルターのデメリットと対
| デメリット・注意点 | 対策 |
|---|---|
| 汚れると風量が落ちる | 交換の目安を守り、汚れてきたら早めに交換する |
| 交換の手間と費用がかかる | 使用期間の長さや再利用できるかどうかも比べて選ぶ |
| 機種によっては使えない | お掃除機能付きの機種などは、取扱説明書やメーカーの案内を確認する |
| 貼る位置によっては不具合の原因になる | 吸気口にだけ貼り、吹き出し口やセンサーはふさがない |
ホコリ取りフィルターにはさまざまな製品がありますが、子どもや患者さん、来客が長い時間を過ごす施設で使うなら、家庭向けとは少し違う視点で選びたいところです。ここでは、施設で選ぶときに確認したい4つのポイントを紹介します。
まず確認したいのが、ホコリをどれだけ捕まえられるかです。製品によっては、エアコンの標準フィルターと比べた捕集効率を示しているものもあります。数値が示されていれば、比較の目安になります。
ただし、捕集性能が高いほど目が細かくなり、そのぶん汚れやすくもなります。性能の高さだけで選ぶのではなく、交換の目安とあわせて、無理なく使い続けられるかどうかも考えておきましょう。
衛生面に気を配りたい施設では、抗菌・抗ウイルス機能を持ったフィルターがおすすめです。一般的なホコリ取りフィルターは捕まえたホコリをためておくだけですが、抗菌タイプであれば、フィルターに付いた細菌が増えるのを抑えられます。
抗菌・抗ウイルスの仕組みには、薬剤を使うものや、酵素を使うものなどがあります。たとえば酵素タイプの抗菌エアコンフィルターは、フィルターに固着させた天然の酵素が、付着した細菌の増殖を抑え、ウイルスの感染力も弱めます。
選ぶときは、「抗菌」「抗ウイルス」といった言葉だけで判断せず、どのような試験で効果を確かめているか、第三者機関の試験データや認証があるかも確認しておくと安心です。
ランニングコストを左右するのが、1枚でどのくらいの期間使えるかと、再利用できるかどうかです。使い捨てのフィルターは手軽な反面、交換の頻度が高いと購入費用も作業の手間もかさみます。
製品によっては、表面に付いたホコリを掃除機で吸い取ることで、もう一度使えるものもあります。台数の多い施設ほど、こうした違いが年間のコストの差になって表れます。
表3 施設でホコリ取りフィルターを選ぶときのチェックリス
| チェック項目 | 確認したいこと |
|---|---|
| 捕集性能 | 標準フィルターと比べてどのくらい捕集できるか |
| 抗菌・抗ウイルス機能 | 抗菌・抗ウイルス機能があるか。どのような試験で効果を確かめているか |
| 対応するエアコン | 壁掛け型だけでなく、天井埋め込み型など施設のエアコンに使えるか |
| 取り付け方法 | 外付けか内側か。サイズを調整できるか |
| 交換の目安と再利用 | 1枚で使える期間と、掃除機で吸い取って再利用できるか |
マイクロエアの「コウソプレ」は、家庭用・業務用のエアコンに対応した抗菌エアコンフィルターです。ホコリを「捕る」働きと、捕まえたホコリに付いた細菌やウイルスに「働きかける」働きを1枚で持っていて、幼稚園や保険薬局、接骨院など、人が集まる施設で導入されています。
コウソプレのろ材には、天然の酵素が固着されています。酵素には細菌やウイルスのたんぱく質や脂質を分解する性質があり、フィルターに付いた細菌は細胞膜を分解して増殖を抑えます。外側の膜(エンベロープ)を持つウイルスであれば、その膜を壊して感染する力を弱めます。
酵素はろ材にしっかりと固着されているため、時間が経っても剥がれ落ちることはありません。自然由来の酵素を使っているので、子どもや患者さんが過ごす空間でも使いやすいのが特長です。効果についてはエビデンスデータを取得済みです。
コウソプレは、エアコンの標準フィルターと比べて約3倍の捕集効率を備えています。細かいホコリまでしっかり捕まえることで、エアコン内部へのホコリの侵入を減らします。
また、コウソプレはフィルターを水洗いする必要がありません。濡れたフィルターが乾くまでの間にカビや細菌が繁殖するのを防げるため、エアコンから出るカビ臭さの軽減にもつながります。内部の汚れが減れば、エアコンの分解洗浄の回数を減らし、清掃にかかる費用を抑えることも期待できます。
コウソプレは、表面に付いたホコリを掃除機で吸い取ることで、もう一度使える製品です(再利用は1回まで)。設置場所の汚れ具合やエアコンの使い方にもよりますが、1枚でおよそ2〜4ヶ月、ワンシーズン使えます。
取り付けは、付属の面ファスナーを使ってエアコンの吸い込み口に固定します。ハサミでカットしてサイズを調整でき、機種によっては標準フィルターに重ねて内側に取り付けることもできます。交換のときも面ファスナーは本体に残したまま使えるので、職員の方でも手間なく交換できます。
コウソプレは、次のような施設で導入されています。
設置から1〜3ヶ月たったフィルターを見ると、出入り口の近くでは外から入り込んだ砂ボコリや花粉、人の多いオフィスや待合室ではチリやホコリ、カーペットのある部屋では大きなホコリがしっかり捕まえられています。



なお、厨房など油煙の多い場所のエアコンには、油煙・オイルミスト対策用のフィルター「ゴッソプレ」が適しています。
コウソプレは、法人・企業向けのオンラインショップで購入できます。導入の相談や見積もりは、マイクロエアへの問い合わせから受け付けています。
エアコンのホコリ取りフィルターの本来の役割は、ホコリを捕まえることです。標準フィルターでは通り抜けてしまう細かいホコリまで受け止めることで、エアコン内部の汚れや効きの低下、カビや臭いの発生を抑えられます。エアコンが吸い込んだ花粉も、ホコリと一緒に捕集できます。
細菌やウイルスについては、一般的なホコリ取りフィルターは捕まえるだけです。抗菌・抗ウイルスタイプのフィルターを選べば、フィルターに付いた細菌が増えるのを抑え、ウイルスの感染力を弱めることが期待できます。ただし、空気中のウイルスをすべて取り除いたり、感染そのものを防いだりするものではありません。換気や手指の消毒など、ほかの対策と組み合わせることが大切です。
子どもや患者さん、来客が長い時間を過ごす施設では、エアコンの入り口でホコリを止めることが、室内の空気環境を整える土台になります。フィルター掃除の手間を減らしながら衛生面にも配慮したい場合は、抗菌エアコンフィルター「コウソプレ」の導入を検討してみてください。